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<<   作成日時 : 2006/10/22 02:15   >>

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台所で親が聞いていたラジオの前をたまたま通りかかったら、そのラジオに落語家の鈴々舎馬風が出演していて、そこから一気に色んな事が連想されたので、一応書き留めておく。


鈴々舎馬風で真っ先に思い出すのが、サイボーグ石橋。・・・とんねるずの石橋のことね。とんねるずがまだ面白かった頃、というか革新的だったころに、石橋が芸能界の大先輩にインタビューするというテレビの番組があったのだが、実はその裏では控室で木梨が石橋に無線でめちゃな指令を送り、石橋がその指令のまま、先輩に暴挙を働くという企画だった。それがサイボーグ石橋。で、その相手の大先輩というのが、今は亡きハナ肇と先の鈴々舎馬風だった。
この企画は、昔の芸人ととんねるず世代の芸人のテレビに対する認識の差が見事に浮き彫りになった傑作で、例えば、石橋がハナ肇に対して、木梨の指示を受け、会話のなんの脈絡もないところで、いきなり頭にハリセンを食らわせたりする(笑) ところが、それに対してハナ肇は一瞬キョトンとするものの、テレビの前では絶対怒りをあらわにせず、何とか体裁を取り繕うとする。一方、馬風は怒りっぽい性格なので、その場で我を忘れて「石橋〜!」とキレるのだが、「師匠、テレビですよ。」と言われると、すぐに笑顔に戻る(笑) もちろん、この両者が撮影が終わった瞬間、石橋にキツイ説教をするのはいうまでもない。

説明するまでもないかもしれないが、こういった昔かたぎの芸人さんは、テレビは公のものという意識が非常に強く、楽屋ネタ、内輪の揉め事をテレビで見せるのは、あり得ないことだと認識していたのであろう。サイボーグ石橋は、その辺りの先輩芸人の昔ながらのプロ根性と私情の間で揺れる大先輩の一瞬の表情などを笑いとして捉えている点で革新的であったと言える。
おそらくスタッフ内でしか分からない内輪ネタをテレビで堂々とやりだしたのもとんねるずが最初だったのではないか。そうやって、テレビにおけるお笑いから公私の区別を取り去ってしまったのは、とんねるずが最初だったと思うし、それがテレビにとって良かったのか悪かったのかは分からないが、常にハプニング性を求めるテレビというメディアに対しては、それが合っていたのだと思う。

そんな訳で、以降のバラエティ番組作りにおける常識を変えた、という点で、とんねるずの出現は大きかった、と思う。


その一方、テレビに素人を出演させ、あまつさえ、芸能人にしてしまったことまである芸人と言えば、欽ちゃんこと萩本欽一がいる。ただ、欽ちゃんの場合は、取り立てて芸のない素人相手に欽ちゃんが天才的なツッコミを入れ、それを笑いに昇華させる、という、これは欽ちゃんの立派な芸であり、これは内輪ネタをテレビで見せてしまう、と、いうこととは別個に考えなければならない。
しかしながら、欽ちゃんの素人弄(いじ)りが契機となって、素人がテレビに出る、ということに対する垣根が低くなり、それがやがて、おにゃん子の出現などに繋がっていった、という側面は否定出来ないと思う。

で、欽ちゃんをよく知るテレビ関係者が言うには、明石家さんまこそが欽ちゃんの正統な後継者であるらしい。もっとも、さんま自身はそれを言われるのを凄く嫌うらしいが。ただ、そう言われてみれば、普通の素人の面白い部分を無理やり発見し、そこを弄って笑いを取る、というのは、欽ちゃんと全く同じ手法であり、例えば、「御殿」なんかは、出演者は素人ではない訳だが、さんまのレベルと比べれば、残念ながら出演者の話術は素人レベルであり、そういう意味では、今あるさんまの番組は、すべて素人弄りの番組、と言えるかもしれない。


そんな訳で、それまで落語、漫才、テレビ用に台本がしっかり書かれたバラエティ、という言わば完成されたプロによる芸だけが放送されていたテレビが、欽ちゃんの出現によって、素人が出られるようになり、とんねるずの出現により、テレビ制作の裏側までもが、ひとつの笑いとして公開されるようになって、現在のバラエティに至る、というひとつの流れがあると思う。
これは、テレビというメディアの本質に沿った事象であろうと思う。テレビでは、完成された隙のない芸よりも、例えば浅間山荘事件の様な、次に何が起こるか分からない様なハプニング性の方が好まれる。そう言った意味においては、バラエティもどんどん隙だらけになっていった、ということだけである、とも言える。ただ、そうしたテレビの本質をいち早く察知して、テレビでお笑いをやるには何が一番視聴者の関心を引くのか、ということをいち早く実践したのが、欽ちゃんととんねるずだったのであろうと思う。


・・・これぐらいの論理の組立は頭の中では多分30秒ぐらいで終わってるんだけど、それをいざ文字にして整理するとどうしても1時間ぐらいはかかるなぁ(笑) 笑いに限らず、ちょっとしたキッカケからの推測や推論は寝る前にしょっちゅうやっているので、それをいちいち記事にしていったら、もしかしたら多少は読みごたえのあるブログになるのかもしれないけど、まあ、そこまではやってられないよね(笑)
今日は上記の推察は、前々から考えていたことでもあったので、ちょっと纏めてみよう、と思った次第。・・・記事として面白かったかな? それとも、んなこたぁ言われるまでもなく、当たり前のことじゃないか、と思われただけだろうか?

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