|
今日、ある人に誘われて久々に映画を観に行った。観たのは「TAKESHIS'」。今回は私のリクエストで、この映画を観に行ったのだが、なぜ「TAKESHIS'」かと言うと、この時期、他に観たい映画が全くなく、そのとき、「TAKESHIS'」がゲンダイネットで、『観客動員数過去最低』とか、揚げ句の果てには、『「HANA-BI」の金獅子賞や「座頭市」のヒットで天狗になって、全く意味不明のふざけた映画を撮った』とか酷評されていたのを思い出し、そんなにつまんないのなら、逆に観に行こうかなぁ、と思ったから。で、今、この記事を書く前に他人のブログをつらつら見ていたら、同様の理由で観に行った人が割といる(笑) う〜ん、もしかしたら、ゲンダイネットの酷評も新手の宣伝なのかもしれんなぁ。 とにかく”難解”との前評判のあったこの映画。私は取り合えず、わかりもしないのにわかったふりをするのだけは止めよう、とそれだけを心に留めて、この映画を観た。結果・・・相当、面白かった。本気で傑作だと思った。今までの私は、北野映画と言っても、この前テレビでやっていた「座頭市」を観たぐらいで、まったく北野映画のファンでもなんでもないのだが、それでも傑作だと思った。映画を見終わった後、慌ててパンフレットを買い、内容を見ると過去の北野映画へのオマージュも相当あるらしい。しかし、それらを知らなくても全然楽しめた。 さて・・・、この映画は文章による解説にあまり馴染まない。ストーリーは明らかに破綻している。ただ、私の次の記述は、パンフレットに寄稿している菊地成孔氏が指摘している部分でもあるが、漫才ブームの頃から始まって、「ひょうきん族」「元気が出るテレビ」「お笑いウルトラクイズ」、細かいところでは全く視聴率が取れなかった「全日本お笑い研究所」などを見続けてきた芸人ビートたけしのファンであれば、たけし自身が、この映画を観ながら、「くっだらねぇなぁ。」とか言いながら、大変満足している様子が容易に想像出来るはずだ。現に私も、映画を観ている間の半分ぐらいは、変に顔がにやけてしまっていた(笑) こういう面白かったシーンを挙げたらキリがない。まずビートきよしさんが出てくるだけで笑いと哀愁を誘う(笑) それに、松村と内山のデブコンビによる『コント・300キロ』、ラーメン屋でのやりとり、死を予感させるシーンになぜか必ず出てくるゾマホン扮するバイク(?)や汽車、美輪明宏本人が歌う名曲「ヨイトマケの唄」の感動も台無しの史上最悪の演出(笑)。私は、これらを本気で面白いと思える感性は日本人にしかないと思うし、なにより、芸人ビートたけしファンで無ければわからないであろう。そんな訳で、ヨーロッパうんぬん、というよりも、芸人ビートたけしの全盛期を知らない人には正直、面白さも半減、といった様な映画だと思う。 お笑いファンなら上記の記述だけでも食指が動くはずだが、上記の芸人魂と、自身の死に対する強迫観念とでもいうか、何を書いてもどうせ言葉足らずになるので思い切って省略して書くが、シリアスな部分を映画の中で観念として破綻なく(そう! この映画は全く破綻していない!)、融合させているのが凄い。・・・映画全体の解釈については、何を書いても野暮になるのでこの辺りで止めておこう。 例えば、あなたが、もうじきベッドの上で息を引き取るとして、親兄弟、友人知人がそのベッドを囲んで涙を流している、としよう。そんなとき、あなたが、「ああ、オレはもう死ぬのか」、と思いつつも、お見舞いにフルーツバスケットを持ってきた友人に対して「今どき、そんな典型的なフルーツバスケット、どこで売ってんねん!」などと、ついついツッコミを入れてしまう様な性質(タチ)であり、そんな自分が悲しくもあり、しかしまんざら嫌いでもないのであるならば、きっとあなたはこの「TAKESHIS'」に非常に共感するに違いない。敢えて表現するなら、「TAKESHIS'」は、そんな映画だ。 TAKESHIS'
|
| << 前記事(2005/12/02) | ブログのトップへ | 後記事(2005/12/07) >> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2005/12/02) | ブログのトップへ | 後記事(2005/12/07) >> |